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光の吐瀉物、祈りに春を

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150×150 並製 47ページ

今年もいろんな詩集を読んだんですけど、いまふと一人で詩集の平台をながめたとき、無意識にのばしたのがこの黒田夜雨さんの正方形の詩集でした。
良かったころの文藝賞(良かったと書くと怒られそうですが)の学園ものの青春小説を思わせるような懐かしさのある詩集です。難解ではなく、新しいという感じでもないのだけど、今年を振りかえると、何かこの詩集を手にとることが多かった。よむと、そうだよなあ、本来、詩ってのはこういうものだよなあ、と思ってなんかうれしくなる。逆に、いまこういう詩集は少ない。もう一度言いますが、昔の文藝賞のあの感じ。伝わるかなー。


では、
「春の根の暗いところにある命へ」
冒頭です。


春になると思い出す 学校までの坂道 舞い散る桜 制服のポケットの中に絡まったイヤホンを突っ込み、隅のほこりを摘んで捨てる 白くまだらに汚れたアスファルトを、汚いスニーカーで削る8時15分校庭の砂嵐に目を瞑り、下駄箱の嬌声に耳を塞いだ 外より寒い校舎の黴の臭いも どことなく臭う木の机のミルク臭さも 嫌だった ずっとずっと嫌だった

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